イラスト制作においてキャラクターに色を載せる際、最近よく使う手法の話をします。
昔は線画レイヤーの下に色塗りのベースとなる領域を作って、そこにクリッピングマスクで色塗り用のレイヤーを重ねていく…という手法で塗っていました。
しかしこの方法はレイヤー構成こそシンプルで済むものの、色塗りに使用するレイヤーが基本的にベースとなるレイヤーに縛り付けられる形になる都合、
レイヤー配置の柔軟性に欠けるという難点を個人的に感じていました。
■クリッピングマスクでの色塗りレイヤー配置例
そんな中、とある動画にてマスク塗りという手法を知りました。
羽々斬さんというイラストレーターの方が投稿された、こちらの動画の14:43~あたりで詳しく紹介されています。
①色塗りをしたい範囲を設けるためにレイヤーを新規に作り、色塗りしたい領域分を塗る
②その範囲を「レイヤーから選択範囲」で選択
③その状態でフォルダを作り、「レイヤーマスクを作成」で選択範囲内にマスク領域を作る
こうすることで、フォルダ内のマスクでくり抜かれた範囲であればそのフォルダ内に入れたレイヤーは全て、
そこからはみ出すことなく色塗りができるようになります。
■先日投稿した絵の色塗り用レイヤーの構成
この画像内では色塗り用のベース部分をマスクした「塗り」フォルダの中に色塗りに使用しているレイヤーを放り込み、
さらにオーバーレイや覆い焼き発光などの効果付きレイヤーは別個にマスクを行って格納しています。
この手法は最初に書いた「ベースレイヤーにひたすらクリッピングマスクしていく手法」と比較した際のメリットとして、
特定の色レイヤー間でのみのクリッピングができる・内部にさらにフォルダを作って特定の色レイヤーを放り込みマスクを行う…
など、内部のレイヤー構造を自由に構成できるという点が挙げられます。
ただしレイヤーをフォルダ内に放り込む都合上、そのままではレイヤーごとに設定してあるレイヤー効果が意図通りに機能しなくなってしまうので
マスクしたフォルダのレイヤー効果は画像の「effectall」と書かれているフォルダのように「通常」から「通過」にするのを忘れないようにしてください。
こうすることで内部のレイヤー効果もフォルダを貫通してちゃんと機能するようになります。
既に著名なイラストレーターの方がたが紹介して久しい手法であり、取り立てて新しい情報でもないのですが、
私はこんな風に作業をしていますというのを言語化しておきたくて今回記事にしてみました。
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